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誰も行かないところ 牛の歩みのように

 初めてペシャワール会カレンダーを手にする事が出来ました。1月の写真に記された中村哲さんの言葉がとても深く心に響きます。

 

   【誰もが押し寄せるところなら誰かが行く

     誰も行かないところでこそ我々は必要とされる】

 

 昨年はエッセンシャルワーカーという言葉が出現しました。医療や介護をはじめとする社会や暮らしを支えるために必要不可欠な仕事をする人々。では、そうではない仕事とは…。

 

 昨日1月4日の朝日新聞の「折々のことば」に、平川克美さんのことばが紹介されていました。

 

【「経済合理的」に考えることは、単なる思考法の一つだが、すべてのことを経済合理的にしか考えないのは信仰である。】

 

 コロナ禍の世の中で、自分のことしか考えない人々のあさましい欲望が浮き彫りになりました。不必要な社会の分断を生み出したひとつの要因が経済合理性信仰だったのです。

 

 今年は初詣や初売りなどの正月三が日の人出が例年より大幅に減少したそうです。ひとは自分が正しいと思うことをします。政府は緊急事態宣言を検討しているそうですが、明らかに多くの人々はその先を行っています。はたして政府は世論について来れるのでしょうか。

 

 いまこの瞬間も誰も行かないところで必要とされることを行う人々がいます。牛の歩みのように着実に正しいと思う方向へ向かう一年になることを願います。      R.03.01.05