防災減災・災害復興に関する学会ネットワーク「防災学術連携体」が、市民への緊急メッセージ「感染症と自然災害の複合災害に備えて下さい」を発表しました。これから6月にかけて梅雨の時期に入ります。新型コロナウイルス感染症のリスクがあるなかで、大雨や土砂災害、また地震や火山などの災害が起きてしまった場合の為に、市民の心構えを促す大切なメッセージです。
今、自然災害が起きた場合、避難所の感染症対策は必須です。しかし、ただでさえ日本の避難所はスフィア基準には程遠い劣悪な環境となりやすく、感染症対策まで十分に行き渡るとは考えにくい状況です。コロナ禍では行政による公助が期待できないことを痛感したばかりであり、複合災害に対しては地域の自助・共助がなければ対応できないだろうと思われますので、地域の町内会などでの事前の準備が重要になります。
公衆衛生に関する予算が削られ続けた結果がこのコロナ禍です。保健所の絶望的な人員不足が露呈したことでも、公衆衛生サービスの低下は明らかです。そんな疲弊しきった行政に頼るばかりでは、複合災害の発災時に自分たちの命を守ることは出来ません。そのため、広く市民に対して複合災害に対する心構えを訴える必要があるのだと思います。
日本はこれから自然災害が多発する季節に入ります。感染症と自然災害の複合災害は避けられない状況です。「防災学術連携体」のホームページに【日本学術会議公開シンポジウム/第9回防災学術連携シンポジウム「低頻度巨大災害を考える」】の動画がアップされています。危機感を共有するためにも視聴をお勧めします。 R.02.05.12