ブログ

一事が万事

一部の顕在化した事象により、全体を判断してしまうことは避けるべきだと思います。

世の中には白黒はっきりした事柄より、見方や立場により見解が分かれる事柄の方が多いものです。

 

最近少子化対策が叫び続けられる中で、保育園待機児童、育児休暇、イクメンなどのキーワードが散見されますが、いずれも子供ではなく子を持つ親に向けた対策ばかりです。確かに子育て環境を整える事は必要な事ですが、本当の当事者である子供に向けた対策はいったいどれだけあるのでしょうか。子供の幸せを願う親の幸せではなく、子供自身が幸せかどうかを一体どれだけの人が考えているのでしょうか。

 

子供たちの未来のために必要な事は、子供たちの今の幸せを考える事ではないかと思います。クオリティ・オブ・ライフという言葉が医療の世界から徐々に広まっていますが、大人だけでなく子供にとっても必要な考え方です。

 

子供にとって多くの時間を過ごす学校の状況を見ると愕然とします。文部科学省の昨年の発表によると、小中学校のエアコン設置率は全国平均で41.7%、山口県では18.2%とあります。熱中症対策のためにエアコン利用が求められる昨今にこの状況です。

身長差を考慮されない教室の椅子の座り心地、見た目のおいしさではなく汎用性や耐久性のみ考えられた給食の食器、家庭では使ったことが無い和式トイレなど、学校設備は結局維持管理の視点でしか考えられていません。

 

子供にとっての健康で文化的な最低限度の生活を営む権利は、大人の都合で見解が変わる様です。     H.30.07.07