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よしずと打ち水 住まいに必要な工夫

 気候変動による災害ともいえる猛暑に見舞われる2023年の夏。高騰する電気料金は多くの家庭や企業にとって重い負担となっています。猛暑が人の命を脅かす事態ですから、不思議なカラクリの再エネ賦課金と消費税くらいは何とかしてもらいたいところです。

 

 自助努力、自己責任といった精神論では歯が立たない気候変動問題ですが、科学的な根拠を持つ住まいの暑さ対策を考えたいと思います。

 

 まず遮熱。文字通り、熱を遮ることです。断熱とは違います。窓をペアガラスやトリプルガラスに換えることではありません。窓によしずを立てて直射日光を遮ることです。暑さ対策の基本は日陰をつくることです。そもそもペアガラスやトリプルガラスの窓とは、Low-E膜がなければ断熱効果はあっても遮熱効果はありません。室内に日射による熱の流入を防ぐ簡単で確実な方法がよしずの利用です。

 

 次に気化熱。液体が蒸発して気体になるとき、周りの熱を奪うことを気化熱と言います。打ち水をすると、その周辺の熱を奪いながら水が蒸発します。そのとき生じる温度変化により、気圧の差が生じます。その気圧差が風を生みます。つまり打ち水とは、気化熱を利用した気圧変化による風を生み出す仕掛けです。

 

 極めて科学的であるよしずと打ち水。考えてみると科学的とは、自然との調和を意味するものなのかもしれません。反対にいくら最先端の技術を誇る新しい設備機器といっても、高い環境負荷を強いながら生み出されるものを科学的と言っていいものでしょうか?

 

 今年は電気を使わない住まいの工夫を探す夏にしてみませんか?     R.05.07.25