今年は関東大震災から100年。そんな中、先月から比較的規模の大きな地震が日本だけでなく世界中で続いています。地震の研究は進んでいますが、地震がいつどこで起きるのかという予測は不可能です。だから地震研究には意味がないという人もいますが、はたしてそう単純なものでしょうか?
予測と予定を混同している人が多いのかもしれません。あるいは、科学的な思考と科学万能主義の混同。
今月初め、国土地理院報告会が開催され、その模様は今月いっぱいYouTubeで視聴出来ます。「関東大震災100年を迎えて~首都直下地震を考える~」と題され、特別講演には東京大学名誉教授の平田直さんが登壇されました。ぜひ多くの人にご覧頂きたいと思います。
地震研究者は被害想定や対策をくり返し訴えています。地震による被害を少しでも減らすことが出来れば、それは地震研究の成果なのです。
防災は災害による被害を防ぐことです。例えば車を運転する時、人が飛び出てくることはないだろうと考えるか、人が飛び出てくるかもしれないと考えるかの違いを思い浮かべてみてください。今自分が住んでいる場所は地震が起きるかもしれない。そう考えなければ、地震研究の成果も馬の耳に念仏です。
1995年1月17日、阪神・淡路大震災。
2011年3月11日、東日本大震災。
2016年4月14日・16日、熊本地震。
大きな地震はこんなに起きています。だからもうしばらくは起きないだろうと考えるのか、だからいつ起きてもおかしくないと考えるのか、その選択で運命は変わるかもしれません。
地震による被害を減らすには建物の耐震化はもとより、新築を検討する場合は地盤の性質を理解して土地を選ばなくてはなりません。マンションであれば高層階の揺れは想像以上のものになることも覚悟しなければなりません。防災の観点から出来ることはたくさんあります。まずは自分の住まいや地域の特徴を知る事から始めてみてください。 R.05.06.25