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フランシス・ジャム 夢想とノスタルジーの詩人

 【「ジャム詩集」 著者:フランシス・ジャム 訳:堀口大學 発行:株式会社新潮社】

 

【私は私の道を行きます、

子供達に冷笑されながら、

頭を下げて通る重荷を背負つた驢馬のやうに。】

「明の鐘から暮の鐘まで」序詞より

 

 フランスの詩人:フランシス・ジャムの詩集を久しぶりに手に取りました。26年前に初めて読んだときには気が付かなかったジャムの心情が、なんとなく理解できるような気がします。秋の夜長にじっくり味わいたいと思います。

 

【そこには質素(ぢみ)に光つてゐる戸棚が一つある。

それはかつては私の大叔母さんの聲を聞いた事があるのだ

それはかつては私のお祖父(ぢい)さんの聲を聞いた事があるのだ

それはかつては私のお父さんの聲を聞いた事があるのだ

それ等の思ひ出を戸棚は忠實に守つてゐるのだ。】

「明の鐘から暮の鐘まで 食堂 アドリアン・プランテ氏に」より     R.02.11.24