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今こそ広めたいカタカナ語:グリーンウォッシュ

 「クラスター」、「オーバーシュート」などコロナ関連だけでも多数のカタカナ語が出現し、意味が伝わらないなどといった批判が起こったのは記憶に新しいところです。日常会話で必要不可欠なカタカナ語も存在しますが、それはある程度認知されている言葉が中心です。例えば「エコ」、「クリーン」、「スマート」などは、多くの方にとって意味やイメージが思い浮かぶ単語だと思います。そんなカタカナ語の中で、「グリーンウォッシュ」という言葉をご存知でしょうか。

 

 「安価な白い塗料を塗って見かけを良くすること」や「ごまかし」や「うわべの飾り」を意味する「ホワイトウォッシュ」という英単語が由来の言葉です。「ホワイト」を環境をイメージする「グリーン」にすることで、「環境配慮をしているように装いごまかすこと」や「うわべだけの環境保護」といった意味を持たせた言葉のようです。

 

 世界中で行われている環境破壊は、大規模災害につながる異常気象や今回のコロナウイルスの様な未知の病気を引き起こす要因です。そのため人々の環境への意識は高まっており、環境への配慮や保護につながる行動が企業に対しても求められています。そんな人々の思いを真摯に受け止めず、「グリーンウォッシュ」に終始する企業はなかなかなくなりません。

 

 「エコ」で「クリーン」で「スマート」な商品名や包装に騙されてはいけません。最近のテレビコマーシャルやインターネット広告には、そこだけ治外法権なのかと目を疑うようなものが目立ちます。おそらく日本の消費者は馬鹿にされているのでしょう。カタカナ語のイメージを認知しているだけで、本当の意味を知らない消費者ばかりだと高を括る「グリーンウォッシュ」企業の活躍には目を瞠るものがあります。

 

 往々にして正確な意味を表現したくないときにカタカナ語が利用されるように感じます。多くのごまかしがはびこっている様子を鮮明に映し出したこのコロナ禍。印象操作に惑わされず、その言葉が示す事象を理解しようとする姿勢が大切なのだと再認識しました。      R.02.06.01