昨日、山口県居住支援協議会シンポジウムに参加しました。講演を聞くセミナーの様な形式でしたが、住宅セーフティネットの現状を確認出来るとても有意義な内容だったと思います。住宅セーフティネットとは、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」の制度で、簡単に言うと部屋を借りたくても大家さんに断れてしまう立場の方々への住まいを何とかしようという取り組みです。住宅確保要配慮者として、高齢者、低額所得者、障害者、子育て世帯、被災者、外国人などが定められていますが、現状としては、あまり制度は浸透していないようです。
居住支援を考える際、厚労省管轄の福祉部局と国交省管轄の住宅部局の連携が必須なのですが、絵に描いたような縦割り行政が徹底されている様で、実際の窓口となる市町村の担当部署も互いの仕事を知らない、知ろうとしない現実がある様です。国交省管轄の箱もの行政的な制度自体が利用者本位になっていないので、どちらかというとこの制度を契機に様々な分野の連携を図りたいというところが目的のように感じました。その様な目的が主であるならば、今回紹介された福岡県大牟田市の取り組み事例はかなり進んでいます。下関市は取り組み自体が無いので比較しようが有りませんが、会場には市職員の方もいらっしゃったようなので今後の取り組みに期待したいと思います。
不動産会社は「空部屋埋めます」と言って、どちらかというと大家さんの立場に立っている会社が多いと思います。そもそも入居者は部屋を埋める駒ではありません。経済力を基準に大家さんと入居者を天秤にかける不動産屋さんばかりではないと思いますが、縦割り行政が徹底されている役所と同様にビジネスマインドが徹底されているのが民間企業の現実だと思います。そんな現実の中でも、これからは不動産が福祉分野に直結することを認識して行動しなければならないと考えます。 R.01.07.17