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扉の選び方

 住まいは玄関から部屋まで扉で仕切られています。扉には開き戸、引戸、折戸など様々な種類がありますが、扉の開閉をする際の重心移動が少ない引戸が安全とされます。一方、開き戸は気密性や遮音性が高いので、目的や用途により使い分けることも必要です。しかし現実的には予算や間取上の制約といった理由によって、開き戸が多く採用されています。

 

 また扉は位置や大きさ、開閉の向きも考えなければなりません。開閉の向きを吊元(つりもと)や勝手(かって)と呼びますが、吊元を間違えると扉同士がぶつかったり廊下の通行に支障が出ます。例えば廊下に面した外開きのトイレ扉の位置が少し引っ込んでいたり、扉自体の幅が狭かったりするのは通行に支障が出ないようにする為です。

 

 バリアフリー、生活動線、通風、採光などは家造りで大切な要素ですが、扉の選択はそれらの要素に大きな影響を与えます。扉の選択は、作り手の住まいに対する思いのバロメーターだと思います。     R.1.05.04