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ネジ工場から始まる金融の未来

 テレビドラマ「半沢直樹」はやはり凄いドラマでした。最終回も期待を裏切らない結末にとても感動しました。見どころ満載の最終回でしたが、なかでもラストで主人公半沢と宿敵大和田が対峙するシーンは色々と考えさせられるものでした。

 

 半沢の実家であるネジ工場への融資を断ったことは、当時の財務諸表などから経営状況を的確に把握したバンカーとして当然の判断だったと主張する大和田と、ネジに込められた画期的な技術への評価をして事業継続のための融資をするべきだったと主張する半沢。

 

 そして過去の不正融資を公表したことでボロボロの状態になった東京中央銀行を見限り出ていくとまくしたてる大和田の挑発で、必ず立て直すことが出来ると銀行へ留まる決心をする半沢。更に大和田は、自分の正義を貫くならトップになれと半沢に迫る。

 

 中野渡頭取のセリフにもあったように、大和田には銀行の過去を、半沢には銀行の未来をそれぞれ象徴させたシーンだと思います。

 

 財務諸表などから会社の状態を読む力は銀行員として最低限必要なものですが、銀行は貸し倒れリスクを回避することに専念してしまいがちです。帝国航空の再建案をまとめた際に、半沢はそこで働く人々を見て会社のポテンシャルを確信しました。これからの銀行がどうあるべきかを、ドラマ「半沢直樹」は訴えているように感じます。     R.02.09.29