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アメリカのレガシー RBGが活躍した時代

 アメリカの女性やマイノリティの権利擁護のために戦い続けた米連邦最高裁の女性判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグさんが、すい臓がんのために9月18日87歳で亡くなりました。日本のメディアではあまり話題にはなっていないようですが、アメリカでは親しみを込めて頭文字の「RBG」と呼ばれ、その半生は映画にもなり、多くの人々の尊敬を集めた人物です。

 

 トランプ大統領は、11月の米大統領選挙の前に保守派の後任判事を最高裁へ送り込みたいようですが、最高裁における保守派とリベラル派のバランスが大きく変化する可能性があり、RBGの後任判事選びは大統領選挙戦の大きな争点につながりそうです。

 

 ところかわって日本では、安倍政権が進めてきた取り組みを継承して前に進めていくとする菅内閣が誕生しました。「全ての女性が輝く社会づくり」を掲げた安倍内閣は女性活躍推進法を制定し、今年から労働者が301人以上の事業主は採用者に占める女性の割合などの数値目標を設定し公表するようになっています。

 

 しかし菅首相と閣僚の方々の顔ぶれから、「全ての女性が輝く社会づくり」への意欲が見えないことはとても残念です。トップが模範を示すことはとても大切な事だと思います。そこで今日の朝日新聞の天声人語で取り上げられていたRBGの言葉を引用したいと思います。

 

 【判事9人のうち何人が女性なら十分ですかとの問いには、いつも「9人」と答えた。「こう言うとみんな驚きます。これまで全員が男性だった時は、誰も疑問をはさまなかったのに」】

 

 RBGはリベラル派であるが故に、米最高裁では多数派である保守派の意見に対する反対意見を言い続けていました。それは彼女にとって反対意見は、未来に向かって語り掛けるものだったからだそうです。現代の日本が、優れた反対意見への敬意を忘れない世の中であって欲しいものです。      R.02.09.21