家を買うのと借りるのとどっちがお得かといった問題は、いつの時代も皆さん気になる問題の様です。他にも戸建かマンションか、新築か中古か、今売るべきか売らざるべきか、などの対立軸も皆さんおなじみだと思います。はたして、このような問いに対する統一見解は存在するのでしょうか。
一人として同じ人間は存在しない様に、住まいに関するニーズや状況も人それぞれです。当然ですが、上記の様な不動産あるある問題は、人それぞれ答えが違います。答えが違うからこそだと思いますが、いつの時代も同じ問題が人々の関心事として話題に上るのでしょう。そこで気を付けなければいけないのは、スポンサーなどの意向に沿った答えに導く提灯記事です。
答えは人それぞれ違うはずなのに、あたかもたった一つの答えが正解であるかのような記事は要注意です。集団心理や権威付けなどの手法を散りばめたそのような記事は、ステルスマーケティングの一種であり、真実を伝える記事のふりをした広告です。そもそも対立軸を用いている時点で、顧客を無視した売り手・貸し手の思惑がにじみ出ています。
不動産屋にとって重要な事は、顧客のニーズや状況を理解することです。しかしそれは簡単な事ではありません。自分の置かれた状況を正確に把握している方はとても少なく、むしろステレオタイプの意見に振り回され見当違いの希望を出す方が多いのです。その事に気付かず見当違いな物件を紹介する不動産屋も多いので、不幸なミスマッチは無くなりません。
わかりにくいことをわかりにくいこととして把握すること。一人ひとり答えが違うことを理解すれば、自ずとやるべきことが見つかります。不動産屋の仕事は絡まった糸をほぐすように顧客と対面しなければ、答えを導き出すことは出来ません。
家を買うべきか、借りるべきか。この問題、実は不動産屋の資質を見極める試金石なのです。 R.01.06.11