ブログ

引き継がれる住まいとは 大坪本町 IMPLE HOUSE

【ビフォーの不満点】

・耐震性能

・洗面室、お風呂が狭い

・インフィル(設備)の老朽化

・洋室(個室)が少ない

 

【アフターの改善点】

 弊社のIMPLE HOUSEで必ず行う耐震補強。大坪本町の物件は昭和61年に新築され一般的には「新耐震基準」とみなされる築年月日の木造住宅でしたが、耐震診断をすると倒壊の危険性がありました。「新耐震基準」の建物でも倒壊の危険性があることはあまり知られていないようですが、築年月日だけで耐震性能を判断することは危険です。実際熊本地震でも「新耐震基準」の建物の被害が報告されており、昭和56年以降に建築された建物でも耐震診断を行うべきだと考えます。耐震診断の結果を踏まえ、耐力壁の配置を意識しながら間取を考えていきます。建築士と打合せを重ね、耐震補強計画が出来上がります。勿論、ビフォーの不満点を改善することを前提に考えたものです。ちなみに採用された補強計画の上部構造評点は1.58です。

 

 洗面室とお風呂の狭さを解消するために位置を変更しました。北東部分にあった洋室を取込み、新たにトイレも増設し、車椅子対応の洗面化粧台を採用。そして汚れ物を洗うのにとても重宝するスロップシンクも新設しました。4畳半の広さをまるまるドレッシングルームとして再構築、1階の寝室となる和室からの動線も考慮した今回のプランの要の部分です。ヒートショック対策としてエアコン専用電源も天井に新設しています。

 

 2階建でも1階が広く取られているのが和風住宅の特徴です。つまり1階で生活が完結する平家建を基本に、2階を子供部屋若しくは来客用の予備室として利用する子育て世帯からシニア世帯まで対応する合理的な間取。そのようないわゆる総二階と言われる最近の建物にはない和風住宅ならではの良さを生かすために、2階を4畳半の洋室2部屋へ変更しました。さらにポイントとなる2ウェイの3帖の広さを持つウォークインクローゼットを新設。クローゼットを1カ所にまとめることで洋服などの片付けの省力化を狙っています。ウォークインクローゼットには換気扇や除湿器も置けるようにコンセントもあります。

 

 設備更新の計画でオール電化へ変更しました。もともと都市ガスが供給されないプロパンガスエリアであったうえ、ランニングコストや災害復旧の速さを考慮した結果です。給湯は460ℓフルオートタイプのエコキュート。トイレは2か所ともTOTO製自動洗浄機能付きの節水高機能タイプ。キッチンはクリナップ製のシステムキッチンを採用し、オプションキャビネットを取り付け収納力も大幅に向上。電気配線や給排水管も更新し、IMPLE HOUSEではおなじみの感震ブレーカー付き分電盤を採用しています。

 

 「バリアフリー化」もプランニングにおける重要なポイントと考えました。段差の解消、廊下の幅、手摺の設置、建具の選定、浴槽の向き、車椅子対応の洗面化粧台など、住み継がれる住まいとしての理想を追求しています。IMPLE HOUSE第3弾は「防災と福祉」の理念を盛り込んだ住まいです。     H.31.04.21