「経年変化」を「経年劣化」と同義語と捉えること、もしくはすり替えること。ここに中古住宅に関する大きな誤解を生むプロセスが潜んでいます。
ジーンズやウィスキーなどと同じ様に、本来住まいも経年変化を楽しむことができるものです。しかし、工業製品化された住宅が登場し、いつしか住まいも減価償却資産とみなされるようになると、経年は変化ではなく劣化のイメージと結びつく様になりました。
そもそも住宅の経年による変化は、住まい手による管理や、もともとの造りにより全く違うものになります。管理不全住宅や欠陥住宅では、経年は劣化に直結します。適正な管理をしてきた住宅や作り手の情熱や技術が込められた住宅では、経年は価値を生みます。
残念ながらこの違いに気付かない、もしくはあえて無視して、中古住宅に関する誤解を助長し、利用する人々が多いのも現実です。「中古住宅」=「老朽家屋」という誤解は、「経年変化」=「経年劣化」という誤解を解く事で無くしていけると考えます。そして一人でも多く方々の誤解を解く努力を、ここ下関で続けます。 H.30.11.25