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中古住宅は謎解きパズル

中古住宅を取り扱う事は、まるで謎解きパズルの様な一面があります。

 

例えば、既存不適格建築物や違法建築物の存在。

既存不適格建築物とは、建築時は適法に建てられた建築物が、法律の改正により現時点での法律においては適法にない状態の建築物。

違法建築物とは、建築時や増築時に適法に建てられていない建築物。

既存不適格建築物と違法建築物の違いは、善意によるものか悪意によるものかの違いとも言えますが、これらを判断するには、耐震基準、接道基準、容積率や建ぺい率、防火規定等色々な法律(建築基準法や都市計画法等)や建築に関する知識が必要です。建築物の所有者がその事について把握していることはほとんど無い為、中古住宅を取り扱う者は細心の注意を払う必要があります。

よく見落とされるのがカーポート。建築物とみなされ建築確認申請の対象となる場合が多いのですが、申請手続きをせずに建てられているカーポートも見受けられます。建築確認申請をせずに建てられた建築物は違法建築物となります。適法なカーポートの場合でも、建築面積が建ぺい率に算入されている点を見落として売買が行われると、その後の増築が出来なくて困ってしまう事もあります。

更に厄介なのは、このようなケースは複合的な要素が絡んで発生している場合が多い事です。上記のカーポートの問題にプラスして、住宅部分の建築確認申請が不要な増築が行われていたり、敷地面積が地積調査や分筆の結果減少していたり等々。複合的な要素が絡むケースを発見するには、知識だけではなく経験や勘が必要となります。登記事項等の書面調査や用途地域等の法律調査だけでは見抜くことは出来ません。

 

既存不適格建築物か、違法建築物かの違いで中古住宅の評価は大きく変化します。複雑に絡んだ謎を解いて、はじめてその中古住宅の適正価格が求められるのです。

 

弊社では不動産仲介業はマッチングが全てではないと考えます。安全性を担保し売り手と買い手が双方ともに納得する取引を実現する為には、適正価格の追求や双方の想いを顕在化し結びつけるプロセスを実現しなければなりません。その為に「敬天愛人」の精神を持ちこれからも学び続けたいと考えます。

 

※上記の内容には割愛している様々な要素があります。今後、それらの要素をこちらのブログにて順次ご紹介していきます。