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本質と相対

明治維新から150年という節目の年に鹿児島へ行ってきました。写真は仙巌園を訪ねた際のものです。

 

私は建築物でも取り分け日本建築が好きなのですが、その魅力について考えてみました。

 

日本建築には自然との共存という世界観があります。満開の桜を見て美しいと感じたり、海や山など雄大な風景を見て爽快な気分になったり、自然を目の当たりにして湧き上がる感情は多くの方々に共通するものではないでしょうか。内と外を隔絶することなく出来る限り自然を取り込もうとする日本建築の造り。ありのままの自然を受け入れ自身を自然の中に開放する、それと同時に荒々しい自然の猛威から身を守るという相反する二面性を両立させるギリギリの線を模索した結果が日本建築の特徴であり、魅力の一つだと思います。

 

仙巌園を訪れて、まさにそのような世界観を味わうことが出来ました。雄大な桜島や錦江湾の借景を楽しめる庭に囲まれた御殿の造りは自然との共存を実現しています。

 

明治維新により日本に広く西洋文化がもたらされ人々の生活は大きく変わりました。生活様式をはじめ旧来の文化が否定され、新しい文化がもてはやされる時代の流れは現在も続いています。しかし西洋文化が旧来の日本文化の魅力を再発見させるきっかけにもなっています。西洋文化と比較することで浮かび上がる日本文化の魅力。勿論どちらにも良い面もあれば悪い面もあると思います。それは拒絶を続けていては気付くことが出来なかった世界観。

 

維新150年の年を迎え、自らの立ち位置を考える機会を鹿児島で得ることが出来ました。

タグ: 借景 日本建築