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お願いする側とされる側 言葉の持つ重み

 お願いとは。依頼、要求、要請、要望など、お願いする側とされる側の関係性によって全く意味が違ってくる難しい表現です。

 

 子どもが親にクリスマスプレゼントのお願いをする場合と、会社の上司が部下に仕事をお願いする場合と、同じお願いでも受け止める側のプレッシャーの度合いは違うことは容易に想像できます。その立場をわきまえて発言することは、大人であれば程度の差こそあれ常識と考えられているはずです。わきまえない発言は、失言であり、パワハラやセクハラなどの暴力と認識されます。

 

 さて問題です。文科省が地方自治体及びその公立図書館へお願いする場合の関係性は上記のどちらに相当するでしょう。

 

 パワハラやセクハラ、いじめなど人権侵害を受けた場合、法務局による相談・救済制度があります。人権擁護委員という民間ボランティアによる電話相談窓口が開設されています。子ども以外は有料、しかもボランティアですが…。

 

 その窓口となる法務局とは法務省の地方支分部局です。法務省と言えば、死刑を巡る発言で大臣が更迭されたばかりです。その軽口は、人権を守る省庁のトップであるという立場をわきまえたものとは到底考えられませんが、法務省とはそんな立場をわきまえない人物でもトップに立てる組織なのでしょうか。そんなところへハラスメント行為の相談をしても大丈夫なのかと不安になります。

 

 同じお願いでも立場によっては強制となることを大人は理解しているはずです。だから大人なのです。言葉の持つ重みを知らない無邪気な子どものふりをするズルい大人は案外多いようです。     R.04.11.13