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暴力のバトンリレー 家父長制と校則

 昨年11月15日付け弊社ブログ記事「子どもの人権を侵害する校則と親の教育権」において、校則を親の教育権の視点から考えてみたのですが、今回は私的領域である家庭の延長線上に学校があると考えることで校則のいびつさを明らかにしたいと思います。

 

 民法では、未成年者は法律行為をするのに法定代理人の同意が必要とされています。表向きは子どもを保護することを目的としているとされていますが、子どもが父親の所有物であった家父長制の名残とも考えられます。子育てに手を焼く親が、しつけと称して暴力をふるう虐待行為が見過ごされてきた背景には、このような家父長制に基づく古い慣習の存在が否定できません。

 

 学校が父親の代わりとなるために必要なもの。それが校則だったのではないでしょうか。子どもに有無を言わせぬ校則は、まさに親から教師への暴力のバトンリレー

 

 だから校則に科学的根拠などありません。お国の為に死ぬ覚悟がなければ国民としての権利が与えられなかったのと同様に、校則に服従しなければ退学もやむなしの現実。憲法で保障されているはずの子どもの教育を受ける権利は、まるで砂上の楼閣です。

 

 いまだにわきまえることが美徳として推奨される国に、人権の概念が根付くのはまだまだ遠い未来のことかもしれません。しかし、校則に疑問を持ったり、虐待は犯罪だと知ったり、変化するきっかけはたくさんあります。むかし子どもだった大人たちの責任は重大です。      R.03.03.09