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建築着工統計調査報告 コロナ禍のリアル

 先月29日に国土交通省から令和2年度の建築着工統計調査報告が発表されました。その中の住宅着工統計を見ると、令和2年の新設住宅着工戸数は815,340戸、前年比で9.9%減となり、4年連続の減少だったようです。毎年着工戸数が減少する中で、前年より約1割も減っていることはとても深刻な状況だと思います。

 

 中古住宅市場が伸びているのは確かですが、相変わらず新築信仰の強いこの国で新築住宅が大幅に減ったことのインパクトは計り知れません。東証株価指数の上昇がニュースになっていますが、株価と実体経済との乖離をあらためて認識させられうんざりします。

 

 最近の政治家の失言禍は、権力者たちの理想と現実の乖離に対するいら立ちのように感じます。コロナ禍において、蜃気楼のような株価では救われないことを国民は自覚しました。マスクの買い占めすら制御できなかった政府に対する失望と怒りは瞬間的なものではありません。株価では表せない国民の苦しみが積み重なったもの、それが新築住宅の着工戸数減少という現実です。

 

 見たいものしか見えず、聞きたいものしか聞こえない空間。国会議事堂には魔法の様な装置が組み込まれているのではないかと、真剣に想像してしまう今日この頃です。      R.03.02.09