先日アップしたブログ「マンションを買うときに気を付けるべきこと」でも取り上げた機械式立体駐車場の件を掘り下げたいと思います。
マンションで住戸数分の駐車場を確保するためにはそれなりの敷地が必要です。しかし駐車場スペースを確保するのであれば、その分建物を広げて住戸数を増やす方が分譲業者は儲かります。でも駐車場がないと売れないので、機械式立体駐車場が採用されます。
一戸建てのような自走式駐車場の方が使い勝手が良いのはわかりきっていますが、民間のマンション分譲業者は慈善事業をしているわけではないので利益最優先であっても責めることは出来ません。ちなみに自走式駐車場でも区画割が一戸建てと比べて窮屈なものが一般的です。駐車場をみれば、事業主の方針がなんとなくわかります。
機械式立体駐車場だけど、立地も良いし、一戸建てを建てるよりも安いからとマンションを選択する方も多いでしょう。しかし機械式立体駐車場での事故をご存知ですか。機械式立体駐車場で子どもが挟まれて死亡する事故など多発する重大事故を踏まえて、やっと国土交通省が機械式立体駐車場の安全対策のガイドラインを公表したのが平成26年です。そして安全性を確保するための維持管理に関する指針を策定したのが平成30年。つい最近まで機械式立体駐車場は野放しだったようです。
ガイドラインには同乗者の乗り降りや、荷物の積み下ろしは乗降室の外で行わなければならないとあります。雨の日は大変そうですが仕方ありません。それに子どもが立ち入らないように柵やゲートを設けないといけなくなっていますが、10年前はそんな基準すらありませんでした。中古マンションの場合は色々気を付ける必要がありそうです。当然ながら災害などで停電すれば機械式立体駐車場は使用できません。
マンションには様々なメリットがあります。しかし機械式立体駐車場一つとっても、所有者が使用上注意するべきことが多くあります。購入の前にこういった危険性をマンション分譲業者からきちんと説明を受けていますか。なお宅建業法における重要事項には該当しないので、説明しなかったからといって業者が罰せられることはありません。営業担当がメリットしかアピールしないようなら、再考をおすすめします。 R.02.07.04