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緊急事態条項創設の危険性 憲法記念日を前に憂う

 憲法に緊急事態条項を創設するという議論は、補償なき私権の制限どころか独裁権を権力者に与える危険な発想です。まさかとは思いますが、この憲法改正議論にむけ、私権の制限が出来ず新型コロナウイルス感染拡大防止の足枷となったという既成事実をつくり出したいがために、自粛要請にとどめロックダウンの実行もせず、韓国で成功した大規模なPCR検査もしなかったのであれば、その罪はとてつもなく重い。

 

 政府への野党の批判に対し、対案を示せとか、国難において批判するばかりで足をひっぱるなとか、もっともらしい反応が散見されますが、盗人猛々しいとはこのことです。野党も国民の支持を得た国会議員であり国民の声です。その批判に対する真摯な対応は、議会制民主主義では当然の義務であるはずですが、小さな国民の声は無視して構わないと考えているのでしょうか。検察官が弁護人に、無罪を証明するなら真犯人を捕まえてこいというような、自身の役割を放棄する暴論がまかり通ってよいはずはありません。

 

 コロナ禍で憲法を真剣に考える人々が増えたのではないでしょうか。憲法があるから、人権が守られているという当たり前の事実。憲法があるから、権力の暴走に歯止めがかけられるという当たり前の事実。そんな当たり前の日常を手に入れることが出来た日、それが憲法記念日です。     R.02.05.02