緊急事態宣言下にも関わらずパチンコ店へ集まる人々が話題となっています。こんな時にギャンブルに興じる人を非難する声が高まっていますが、ギャンブル依存症のことを誤解している人が大多数なのではないかと感じます。
依存症は病気です。アルコール、薬物、ゲームなど様々な依存症が認知されてきましたが、それが誰もがかかり得る身近な病気だとは知られていないようです。周りから見るとその人の意思の弱さが原因とみられて、だらしがないとか、自業自得だとか、様々な偏見や差別が横行しています。
依存症は、本人がやめたくてもやめられない状態です。本人の意思の強さの問題ではなく、適切な治療や支援が受けられてはじめて回復することが出来る病気です。その回復を妨げているのが、依存症に対する知識の不足です。知識不足から依存症の人に行ってはいけない行為をしてしまっています。
そんな回復を遅らせてしまう不適切な行為をイネイブリングと言います。本人の意思の問題として叱ったりすることをはじめとし、逆に本人の為に世話をして助けてあげたりすることも含まれます。ではどうしたらよいのでしょうか。
厚生労働省のホームページに、「依存症の理解を深めるための普及啓発事業 特設ページ」があります。回復支援漫画など、依存症を知るきっかけとなる様々なコンテンツがあるので、ぜひ一度ご覧頂きたいと思います。
病気の人をさらに追い詰める偏見や差別。無知から生まれる誤解を無くすことが出来たら、依存症から多くの人を守れるのではないでしょうか。 R.02.04.24