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分類 過誤 そして差別

 中古住宅は差別されてきました。古い家は品質が悪いといった見方が浸透し、目利きの力量は問われず、画一的な分類によって、中古住宅は安いものと分類されました。勿論、有名建築家の手による作品など誰にでもわかりやすく権威付けされるものを除いてですが。

 

 物事を分類することは、日常生活においてとても役に立つことです。スーパーで商品を探す際、商品の分類がされていなければ大変な手間がかかります。しかし、分類は偏見による差別を生みます。若者だから常識がない、高齢者だから車の運転はさせてはいけない、女性だから家事が出来て当たり前だとか。

 

 新型コロナウイルスは、繰り返されてきた人間の過ちを再生産し始めています。布マスク、朝日新聞という分類によって、「繊維のまち・泉大津」の善意が悪意に負けました。身勝手な一部の人々の心無い振舞いが、命がけで医療行為にあたる医療従事者を痛めつけています。

 

 水俣病やハンセン病の時のように、病気に対する偏見や差別が繰り返されている現状そのものが疫病です。感染者に対する蔑視も、まるで戦時下の非国民扱いのようです。現代人は歴史を忘れたのでしょうか。真実が見えない不安な状況は、人間の本性を分類します。差別する人と差別しない人とに。       R.02.04.19