財務省ウェブサイトに「日本の財政を考える」というページがあります。日本の財政状況について、とてもわかりやすく説明されたページですので、ぜひ一度ご覧頂きたいと思います。
2019年度の国の一般会計において、「税収等では歳出全体の約2/3しか賄えておらず、残りの約1/3は借金 (公債金)に依存」しており、「この借金の返済には将来世代の税収等が充てられることになるため、将来世代へ負担を先送り」している状況だそうです。
1990年度との比較において、社会保障費が大きくなる一方、税収などの収入の増加がわずかであり、その穴埋めとして「借金である公債金が約6倍と大幅に増加」したことが財政悪化の要因のようです。そのような財政状況を改善するために、持続可能な社会制度の構築に向けた「社会保障と税の一体改革」を行っているとの事です。
2019年度の債務残高の対GDP比は220.7%となっており、これは終戦直前の状況を上回る数字です。終戦後の昭和21年2月には「預金封鎖」や「新円切替」が実施されました。「預金封鎖」とは、全金融機関の預貯金を封鎖し、引出しを原則禁止(生活費や事業資金については一定額のみ引出しを承認)したものです。「新円切替」とは、まず日本銀行券を「旧券」として強制通用力を喪失させることとし、流通中の旧券を預貯金等に受け入れ、既存の預金とともに封鎖。代わりに新しく発行された「新券」による預金引出しを認めたものです。
国は2025年度プライマリーバランスの黒字化を目標としていますが、過去2002年に2010年度までの黒字化を目指していたものが、その後何度も先延ばしされてきた経緯があります。そして現在のコロナ問題の発生。財政面から考えた現在の日本の状況は、かなり深刻なものなのかもしれません。ちなみに現在、2024年度上期を目途に新しい日本銀行券が発行される予定です。 R.02.04.18