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防災意識とストレス耐性

 下関で防災について話をすると、よくこんなことを言われます。「そんなおきるかどうかもわからない災害の為にコストをかける必要はない」、「災害がおきてしまったらその時はあきらめるしかない」等々。

 

 「正常性バイアス」という心理的な要因が、発災時の避難行動に支障を及ぼすことが指摘されていますが、同様に発災前の段階でもストレス回避のために「正常性バイアス」が働いているのではないかと思います。更にそれを補完するものにストレス耐性への誤解があるのではないかと考えます。

 

 小さなことにとらわれず、何かあったらその時考えれば良いといった人は、ポジティブで前向きなのでストレスに強いイメージがあります。しかし一説によるとそれは逆で、ストレスに弱いから、小さなことを考えず、すぐに諦めてしまうことにつながっているようです。むしろ心配性で様々な対策を講じる人の方が、ストレスに向き合う耐性が強いようなのです。

 

 「正常性バイアス」による防災意識の低下は、ポジティブで前向きなイメージで加速されてしまう。下関で防災に取り組むには、心理的な高い壁が立ちはだかっているように感じます。

 

 日本は必ずどこかで災害が発生する災害大国です。災害の心配をしていてはとても住める環境ではないのではないかと思うこともあります。災害に対する不安はストレスとなります。そんなストレスとの折り合いをつけるが防災意識だと考えます。

 

 我々不動産屋は、人と住まいをつなぐ立場にあります。だからこそ不動産屋が防災意識を持つことは大事な事だと考えます。「IMPLE HOUSE」では耐震補強や感震ブレーカーの採用など防災につながる機能を盛り込んでいます。更に「MUSUBOX」では、ハザードマップに基づく地域のリスク情報を積極的に提供しています。

 

 全て取り越し苦労で済むならありがたい話です。私たちにとって究極の選択は、「備えるか、備えないか」です。     R.01.12.04