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日本版CCRC構想

 日本版CCRC(Continuing Care Retirement Community)構想とは、地方創生の観点から、中高年齢者が希望に応じて地方や「まちなか」に移り住み、地域住民や多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができる「生涯活躍のまち」づくりを推進する国の取り組みだそうです。1970年頃にアメリカで広まった富裕層向けのコミュニティ事業を参考に数年前から実施されており、最近では国交省の「働き方改革を支える今後の不動産のあり方検討会」で2030年頃を見据えたこれからの不動産像の中にも盛り込まています。様々な社会問題を解決する為の施策として期待されています。

 

 当初のCCRC構想では利用者を「東京圏の高齢者」を想定していたようですが、東京圏だけではない中高年齢者へと幅を持たせているようです。もともと地方の衰退は、少子化により減少した現役世代が都市部へ流出することで更に加速化されたものです。地方に偏った世代構成を持つ地域コミュニティをこれ以上増やさない事が必要だと思います。働き方改革により適正な賃金で働ける場所が地方に広がるのであれば、現役世代の地方からの流出は少なくなるでしょう。そこから生まれる地域コミュニティ力が、中高年齢者を地方へ呼び込む力となるはずです。すべての世代が住みやすいコミュニティ創生こそ日本版CCRC構想の成功の鍵だと思います。

 

 住み慣れた場所から離れることは、年齢を重ねる毎に難しくなると思います。特に高齢者にとっては、認知症の発生リスクも考えなくてはなりません。弊社のIMPLE HOUSEでは、若い世代から高齢世代まで永く住み続けて頂ける家として、既存住宅の耐震補強、生活動線の改善、バリアフリー化等に取組んでいます。これからも住まいの面で下関における地方創生の一助となることを目指し、終の棲家となる住まいの研究・開発を続けていきます。     H.30.09.04