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『ジェイムズ 著者:パーシヴァル・エヴェレット 訳者:木原善彦 発行:株式会社河出書房新社』
奴隷制度を過去のものとしてではなく、現代社会にも形を変えて生き続けるものとして描く本書は、全米図書賞やピュリツァー賞など様々な賞を受賞した作品です。古典を題材として取り上げながら、現代社会の問題を鋭く描く内容は、深い主義主張を嫌う日本ではあまり受け入れられないかもしれません。
ただ表面的には、ドラマティックな展開がちりばめられた物語に引き込まれる要素もあり、受賞歴などの話題性も手伝い多くの読者を獲得することでしょう。映画化の話もあるようなので、さらなる読者層の広がりも期待されます。
なぜピュリツァー賞を受賞したのか?そのような視点が生まれると、より本書の魅力が伝わるのではないかと思います。例えば、スタインベックの『怒りの葡萄』と比較したり。
芸能事務所による奴隷契約との連関についても考察したnote掲載記事も、ぜひご一読ください。





